8月23日(水)[第2日目]
朝、ホテルをチェックアウトして、ラッセルスクエアにあるハーツレンタカーの営業所に行く。日本で予約しておいたレンタカーを借りる。保険だのなんだの難しい話になって、すでに交渉の主役は、ツマに譲っている。ツマは、若い頃、オーストラリアに1年、遊学していた。ワタシのように、歳を取ってから、NOVAに金をつぎ込んでも、もう遅い。
さて、レンタカーは走り出したが、ロンドン市街から出られない。甘く見ていた。ロンドン市街は、ほとんどというか、まったく右折できない。ほとんど一方通行である。ロンドン市の北西のはずれにある高速道路の入口に向かっているつもりなのだが、気が付くと、ロンドン市の南西にいる。気を取り直して、北に向かうと、今度はいつの間にか、北東のはずれに向かっている。地図はあるのだが、自分の現在位置がわからない。しまった、見知らぬ土地では、方位を知るための磁石が必要だった。
ちゃんと行けば、15分くらいで着くはずの高速道路の入口に、2時間以上もかかってたどり着いて、やっと目指す方向に向かい始めたのは、もうお昼を過ぎていた。イギリス人は、車は質素なくせに飛ばす、飛ばす。
目指しているのは、ロンドンから西へ200q。イギリスで最もイギリスらしいカントリー・サイドの風景が広がるというコッツウォルズ地方の中心都市チェルトナム。ちょうど真ん中あたりに、名門大学で有名なオックスフォードの街がある。この地方へは、鉄道が通っていない。普通、観光客はバスで行くのだが、イギリスは、日本と同じ、車は左側通行だから、思い切って、レンタカーにしてみた。
イギリスの道路の交差点には、信号がない。その代わりにあるのが、サークルというイギリス独特の交差点。これには苦労した。単純な四つ角ならまだしも、五叉路であったり、六叉路であったりするともうダメ。最悪なのは、サークルが二つ連続しているのもある。「イギリス人は、信号作れんのかァー!」と悪態をつくほど手こずった。
もう一つ、最悪だったのが、途中に昼食で寄ったドライブインのトイレ。高速のドライブインといっても、イギリスの高速は無料だから、高い金取る日本の高速のトイレみたいに立派じゃないのは仕方がないが、それにしてもひどかった。日本の30年前の公衆トイレのような惨状だったと申せば、わかってくれるだろうか。折角のロマンチックなカントリー風景がぶっ飛んだ。イギリス当局に善処をお願いする次第である。
ほんとは、この日の内に、コッツウォルズの村の一つも見学する予定だったのだが、ロンドン蟻地獄で、予想外の時間を食って、オックスフォードの街から出るのにも迷いに迷って、今日は、チェルトナムに着くのがやっと。夕方4時過ぎに、ヘトヘトになって、チェルトナム郊外のMOAT HOUSEというホテルにたどり着いた。
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