05.05.18
新緑の目にまぶしい五月晴れ、とまではいきませんでしたが、まあ爽やかな日に、今年もいい体育祭ができました。
正直に言うと、いい体育祭かどうかは、もう一つ割り切れない思いもあるのですが、というのは、本校の最近の体育祭というのは、知育・徳育・体育における体育教育の集大成という昔の体育祭が本来持っていた要素はすっかりと捨てています。生徒会本部に生徒が楽しめる団体競技を中心にプログラムを編成させ、生徒が楽しんで競技することを最大の目的として実施されます。「クラスの団結」や「1年次から3年次までを一つにした縦割りの団の協力」とかが体育祭の達成目標になります。
だから、かつての陸上競技大会風の体育祭にはみなぎっていたアスリートの緊張感のようなものはありません。予選、準決勝、決勝と高まる期待の内に生まれてくる「体育祭のヒーロー・ヒロイン」はいません。ほとんど個人の活躍する場面はありません。なんだか徹底してヒーロー・ヒロインが生まれることを排除しているようなところがあります。私が若い頃薫陶を受けた、亡くなられた大先輩が化けて出てきて、「こんな体育祭をやらせていていいのか!」と一喝されそうで気になるのです。「・・・・で、でも先生!こっ、これが、時代ってもんですよ・・・・」と必死に抗弁するのでしょう。
でも、懐古的な感傷を吹っ切れば、やはり、いい体育祭なのでしょう。ウチの生徒達の必死さ、一生懸命さは胸を打つものがあります。「みんなで楽しむ体育祭」に徹すれば、今年も最高の体育祭ができたと喜ぶべきでしょう。
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開会式 | 1 全員競技 大玉送り |
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新調した据え置き型拡声器 ウチのグランドには、はじめから立派な拡声器が高い位置に付いています。ところが、もうだいぶ昔からのことですが、体育祭になると近隣住民からの「スピーカーの声がうるさい」「音楽を鳴らすな」などの苦情が絶えなくて、昨年などは、パトカーが体育祭やっているグランドに来て、「近隣住民から警察の方へ苦情が来ているものですから、なんとかしてくれませんか」と言う始末。「学校が体育祭で拡声器使うのは当たり前でしょう?学校で体育祭やっちゃいけないって言うんですか?」とこっちも切れかかって、お巡りさんと喧嘩してもしかたないので、「善処しますよ」ということで、今年購入したのが、この据え置き型拡声器。これだと、低い位置での拡声だから、あまり遠くには飛ばないだろうということで、今年は、苦情はほとんどなかったが、その分、招集の放送が聞こえなかったり、音楽が小さくて盛り上がらなかったり、派手好きの校長としては、実に面白くなかった。まったく、困った時代であります。 | |
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2 玉増リレー 新企画の競技だったが、どうもねぇ〜。 | |
各係紹介 | |
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救護係 今年も、大きな怪我なく終われたのは、なによりでした。 | 記録係 ウチの先生は、生徒と同じようにピースをします。カワイイです。 |
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放送係 生徒会役員のDJ。なかなかいい実況中継をする。もっと、ガンガンやらしてやりたいのだが、近所の苦情が怖くて、ついボリュームを下げてしまう。思いっきり、やらせてやりたいのだが。 | 用具係 昔は、用具係は体育祭でもっとも忙しい係でしたが、最近は、そうでもありません。 |
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受付係 最近は、保護者の参観が多いので受付も忙しいです。 | 接待係 来賓や保護者に麦茶やコーヒーをサービスします。 |
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招集係 今年は、グランド内に招集場所が設定されていた。たしかにこの方が一体感があっていいです。 | |
クラスTシャツ | |
最近の体育祭にクラスTシャツは、必須アイテムです。今年もクラTが咲き乱れました。 | |
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3 2年生全員競技 Oh!!むかでレース クラス全員でむかでをやるのだから、かなりの難易度はあるのだが、距離が短いので、スタートの差がそのまま勝負になってしまう。もう少し、距離をやらせたらいいのではないか。 | |
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4 女子100M ほとんど唯一の個人競技であるが、学年別に4人で走って終わりである。 | 5 男子200M ほとんど唯一の個人競技であるが、学年別に4人で走って終わりである。 |
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6 1年生全員競技 おっかけ綱引き クラス対抗の綱引きであるが、はじめに綱を引くのは、クラスの半分のメンバーである。あとの半分は、号砲と同時にコースを半周100M走って、応援に駆けつける。応援の着き方で微妙に勝負が変わる。これは面白い。 | 担任の先生が、今にも綱に手をかけんばかりに必死に応援する。 |
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7 スウェーデン・リレー 50M→100M→150M→200Mと走る距離が増えていく。これって、本来、100M→200M→400M→1500Mって、陸上競技の違う種目の選手をリレーさせる競技だったんですよね。 | |
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生徒会役員が「なんでも、やってくれますか?」って聞くから、「公序良俗に反しない限りはやってやる」と答えたら、今年は、ディズニーランド風着ぐるみです。校長も副校長も決してカワイイとは思えませんが、みなさんが喜んでくださるならば、やむを得ません。 | 競技が終わった後、「一緒に写真撮らせてください」という女子生徒が列をなしました。まんざらでもありません。 |
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8 先生・保護者競技 着ぐるみを着た校長と副校長がカゴをしょって、円の中を逃げ回るのを、周りの先生と保護者が玉入れの要領でカゴに玉を入れる競技。ところが玉が直球で飛んでくることがある。管理職に玉をぶつける競技と間違えている教員がいるって?違うの、カゴに玉を入れる競技なの! | |
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来賓 PTA後援会の会長さんはじめ、役員の方々においでいただきました。 | |
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保護者席 今年は、受付で記帳された保護者の方が152名いらっしゃいました。総定員480名の高校で、体育祭を参観に来てくださる保護者の方がこれだけいらっしゃるということは、まことに有り難いことです。用意した席が足りなくて、あわてて、椅子を追加したりしました。テントに入れない方もたくさんいらしゃったことをお詫びします。 | |
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9 全員競技 クラス対抗長縄跳び 今や本校体育祭の人気種目に定着した。クラス全員での長縄跳びの回数を競う。体育祭当日の開始前に、長縄跳びの朝練をしているクラスがたくさんあるほどに、この種目にクラスのプライドを懸ける。この日、連続跳び最高記録を出したのは3年A組の36回、続いて3年C組が35回を出した。さすがに3年間やってきただけに3年生が強い。 左下の写真は、飛び入り参加の「教育実習生組」。急ごしらえながら、16回を記録した。 |
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10 障害物カンポックリリレー カンポックリを履きながら、柔らかいマットとか、ハードルとか、サッカーゴールに蹴り込むとか、いくつかの障害を越えてリレーする。新企画のプログラムである。生徒会本部が毎年いくつかの新企画を入れて、プログラムに新鮮味を出そうとしている意欲は評価するが、はっきり言って、この新企画は失敗である。なぜ失敗かというと、第一にスピード感がない。どんなに巧みにカンポックリに乗っても、リレーに不可欠な抜きつ抜かれつのスピード感は出ない。次にカンポックリそのものが稚拙で、すぐにつぶれてしまったり、ひもが切れたりして、競技者の全力が発揮できない。ノロノロとダラダラと時間かけてやっている内に、飽きてしまって、プログラムへの集中力がなくなってしまう。厳しいことをいうのはかわいそうだが、この企画は失敗である。 | |
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11 3年生全員競技 綱取り 筑坂体育祭のメインイベントと言えば、3年次生の綱取り。まさに筑坂最強クラス決定戦。筑波大学の附属学校では、わけあって騎馬戦は禁止である。たしかに「生徒の安全」は学校の基本である。しかし、体育祭には、血湧き肉躍る団体戦は不可欠である。筑坂の「綱取り」は、安全と激突との矛盾をアウフヘーベンした絶妙の団体戦に育っている。これぞ、体育祭である。 下部の4枚は、3年次優勝チームと「教育実習生チーム」とのエキジビションマッチである。教育実習生も日頃の憂さを晴らすべく奮闘していた。 |
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12 4000Mリレー 真のメインイベントは、これか。クラス40名が各100Mずつ走ってリレーする。速いコも遅いコも、男の子も女の子もみんな100Mずつ走る。まさに抜きつ抜かれつである。こういうのは、一人でも、あるいは一クラスでも、手を抜いて、真剣みを欠いた走りをすれば、それだけですべてがぶちこわしである。ところが本校では、そんなヤツは一人もいない。みんな真剣である。遅いヤツがいれば、次の速いヤツが取り返そうと必死で走る。クラス全員が必死で走るその真剣さが感動である。 3年次生のレースには、第5コースに「教育実習生チーム」が参加した。大学生は、足衰えているから高校生に勝てんだろうと思うと、そうではない。1位でゴールインである。なぜか。筑波大学の教育実習生には、天下に名だたる体育専門学群生、つまり将来の体育教師を目指す強者もいる。体育科の指導教官から「高校生に負けるようでは単位はやれん!」と発破をかけられている。手を抜けない。教育実習生も必死で走る。附属高校らしいシーンである。 |
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教育実習生 4000Mリレーに優勝して盛り上がる。本校の教育実習生指導は厳しい。附属高校の使命として、将来の教師の卵にしっかりとした教職意識を持たせたいと思うからである。しかし、体育祭の今日一日は、リラックスして、楽しく発散できたようである。 | |
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13 フォークダンス フォークダンスというのは、今も昔も変わらない。嬉し恥ずかしフォークダンスである。 | |
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閉会式 4000Mリレーの終わり頃から、ぱらついてきた雨がフォークダンス、閉会式の頃には、けっこう降ってきた。でも、今年は、すべてのプログラムを消化することができた。終わってみれば、筑坂の生徒の真面目さ、一生懸命さが心にしみたいい体育祭だった。 |